【ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON】クリア後レビュー

ゲームレビュー

ロボットアクションゲーム ARMORED COREシリーズ10年ぶりの最新作。前作である『ARMORED CORE VERDICT DAY』は2013年にPS3で発売されており、コンソールハードにおいては2世代分の時間が空いたことになる。

10年の間に、開発元であるFROM SOFTWAREは『ソウルシリーズ』や『SEKIRO』、『ELDEN RING』などで大ヒットを収め、今やAAAタイトルを世界に送り出す、一大デベロッパーとなった。そんなFROM SOFTWAREが、リブートするARMORED COREシリーズは如何なるものなのか。

筆者はARMORED COREシリーズは初プレイである。プレイ環境はPC steam版、Xboxコントローラーでプレイ。真エンディングまでプレイし、エンドコンテンツであるSランククリアを進めている時点でのレビューである。

開発元パブリッシャーリリース日
FromSoftware Inc.FromSoftware Inc.
Bandai Namco
2023/8/25

超爽快!ロボアクション!

ロボットアクションには大別して、2種類のジャンルが存在する。1つはリアル志向の重鈍でスローなアクション、もう1つはSF/アニメチックな高速アクションバトルだ。本作ARMORED CORE VI(以降AC6)は後者の、高速で戦闘を行うタイプのロボットアクションゲームに分類される。

本作は、UI/操作の快適性/きびきびと動くAC、すべてが相まってきわめて爽快なアクションゲームに仕上がっており、アクションの面白さだけで言うと100点満点中120点の評価をしたい。

本作のアクションにおける最も素晴らしい点として、優れたUIをまず挙げるべきだろう。このゲームでは、両手の武器の弾薬数/リロード状況、両肩の武器のロックオン状況/リロード状況、敵の体幹ゲージ、などなど戦闘中に管理しないといけない要素が非常に多い。このような様々な管理要素を全てロックオンマーカーに表示するようになっている。これが非常に画期的で、高速戦闘を行っているなかで、敵機から目を離さず全てのゲージ管理を行うことができるのだ。本作における1つの発明といってもよいだろう。
ロックオンマーカーに様々な情報が集約されている


操作の快適性、気持ちよさも素晴らしい。「ARMORED COREシリーズは操作が難しい」見たいな印象を筆者はもっていたが、本作AC6は全くそんなことはない。基本的には一般的なFPSのような操作だが、プレイヤーが照準を相手に合わせる必要はなく、基本的にすべてオートエイムである。プレイヤーにゆだねられる操作は、敵を画面に入れる程度の大まかな照準と、弾薬を管理しながらの射撃操作、敵との間合い管理や回避などの移動操作である。

ACは非常にきびきびと動き、武器のヒットエフェクトや演出も非常に爽快感があり、操作すること自体が非常に面白い。アクションは本当に褒めるところしかない。
大型機の撃破演出は本当に気持ちがいい

メカ!カスタマイズ!

ロボゲーとして欠かせない要素が、自機のカスタマイズだ。本作では武器や、全身の様々なパーツを自由に組み替えることができ、ステッカーやカラーリングも好きなように変えることができる。ある程度自分の好きなビジュアルや武器でゲームを進められるので、カスタマイズに関して満足度は高い。
スタンダードな2脚

タンク型にも、もちろんできる


しかし、本作は体幹ゲージが採用されている仕様上、「体幹ゲージの削り性能が高い武器」「崩し中に大ダメージを与える武器」が強くなりすぎている。周回プレイや高ランククリアを狙う上で、色々な武器を試そうという気が起きないぐらい圧倒的に武器バランスが終わっているので、そこは非常に残念だ。

質の低い難易度調整、レベルデザイン

残念ながらこのゲームはクソゲーである。
「フロムゲーだから」という言葉に胡坐をかいたような難易度調整はそろそろ改めて欲しい。高難易度であることに文句はないのだが、難易度曲線が適切でないのだ。具体的には、チャプター1のボスである『バルテウス』というボスキャラが本作中でも屈指の強さを誇るのだ。

機体のカスタマイズや、ロックオン操作の仕様を理解するとある程度簡単に倒せるのだが、そのような要素をプレイヤーに学ばせるギミック/ヒントがゲーム中にないのが本当にクソゲーだ。

このようなプレイヤーを振るい落とすようなデザインは、金を払って購入するユーザーに対して極めて不誠実ではないだろうか。(※ 発売から2週間後 23/9/11に難易度緩和のアップデートが入ったことを追記しておく。当たり前だ)

23/9/3現在、発売から9日経ってからのレビューであるが、Steam上でのクリア率は現在4.5%である。


戦犯バルテウスくん

熱いストーリーだが、見せ方に疑問が残る

※ネタバレあり



ストーリー全体の構成としては、非常に熱い展開も何度かあり、楽しめるものだった。だが、同じストーリーを3回周回させ、一部だけ分岐するという見せ方が適切だったのかは疑問が残る。正直同じミッションを3回もクリアするのはただただ面倒で、プレイ時間のかさましをされているようにしか感じなかった。しかも、ストーリー上でのクリアでは、クリアランクが付かないので、「オールS」の達成をしようと思うと、さらにもう1度全ミッションをクリアしないといけない。

また、全体的に説明が少なく、特に1週目でのストーリーの理解が難しい。そのため、ストーリー自体の求心力のなさから、プレイをやめてしまう人もいるだろうと感じた。個人的に2~3週目からストーリーは面白くなったし、エンディングは感動して拍手をしてしまった。
1週目クリア時の筆者の愛機

総評

稚拙なレベルデザインや、戦闘システムがもたらす武器バランスの悪さなど、目立った欠点はあるが、それを補ってあまりあるアクションの面白さを持った作品である。カスタマイズの面白さやUIなど、優れた点も多数あり3Dアクション好きならぜひとも手に取っていただきたい傑作だ。

  • 極めて爽快な操作感
  • 発明とも呼べる優れたUI
  • カスタマイズ要素の面白さ
  • 質の低い難易度調整、レベルデザイン
  • プレイ時間のかさましに感じる繰り返し要素
  • 武器バランスの悪さ

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