【Forza Horizon 5】クリア後レビュー

『Forza Horizon』はレース/ドライブシムゲームであるForzaシリーズの派生作品で、CrewシリーズやNeed for Speedシリーズに近いオープンワールドドライブゲームである。35時間ほどのプレイで名誉殿堂入り(一応ストーリークリア？)を果たしたのでレビューをする。
PC Game passにてプレイ、操作環境はXboxコントローラー。

開発元	パブリッシャー	リリース日
Playground Games	Xbox Game Studios	2021/11/9

ウソとホントを織り交ぜた見事な操作性

実は、実際に一度プレイをするまで『Forza Horizon』シリーズには全然興味を持っていなかった。なぜなら、今まで『Crew』や『Need for Speed』など類似のゲームで味わった、”操作感のウソ”に辟易していたからだ。私にとってこれらの現実感のない車の挙動は、爽快感ではなく、ストレスを生み出す要因になっていた。

今回、『Forza Horizon5』を起動してみてまず驚いたのが、操作感の違和感のなさだ。このゲームの挙動は『グランツーリスモ』や『Forza Motorsport』に近くかなり”シムっぽい”のである。ブレーキを踏めばフロントサスペンションがしっかりと沈み、ノーズをコーナーの先に向けることができるし、テールを流したければ後輪を思いっきり回してやればいい。この作品は車の動きに妥協をしておらず、しっかりと『Forza』なのである。

その上で、このゲームにはたくさんのウソがある。例えば郊外を時速300kmで走っているときに、タイヤの片側で土を踏んでしまっても、このゲームでは絶対にスリップしない。コーナリング中にリアがブレイクしても、ドリフトをするだけで絶対にスピンしない。木やガードレールにぶつかっても、木やガードレールが吹き飛んでいくので、止まったり減速しないのである。当然、「そんなわけないやろｗｗｗ」と思いながらプレイをするのだが、このアンリアルさに不快感は全くない。オープンワールドドライブゲームとしては、これぐらい甘い操作のほうがストレスがなくドライブができて気持ちが良いのである。また、コーナリングやブレーキにもかなり補正が効いている感じがする。車が意のままに動き、コントローラーとの一体感を感じる素晴らしい操作感だ。

たくさんのウソを織り交ぜつつも、まるでホントのような説得力のある車の操作感/挙動を作り上げており、今まで体験したことのない、絶品のドライブゲームだと感じた。
簡単に、意のままに車を操れる　ドライブするだけで楽しいゲームだ

ド派手なイベントなんでもあり！

このゲームで繰り広げられるレースは、本当に”なんでもあり”だ。オフロードや公道レースはもちろんのこと、ボートとレースしたり、列車とレースしたりと、この世の乗り物すべてとレースをさせられる。演出がド迫力で秀逸なものが多く、プレイしていてとても楽しめた。
ボートとのレース

列車とのレース

ヘリや飛行機もレース中に登場する

膨大な数の作り込まれたモデリング

本作には700台以上の車が登場するのだが、驚くべきことに全車種に車内視点が設定されており、車内がしっかりとモデリングされいるのである。メーター表示なども当然動き、膨大な仕事量にただただ感服するしかない。私は基本的に車内視点でプレイする人間なので非常にうれしい仕様だった。普段、3人称視点でレースゲームをプレイするプレイヤーも、ぜひこの車内視点は一度試してみてほしい。
おそらく全ての車種に専用の車内モデリングがされている

チューニングでロールバーをインストールすると、車内視点にも反映される

素晴らしいゲームだが、完璧なゲームではない

非常によくできたドライブゲームだが、目につく欠点はいくつかある。まず、一番気になるのは、システムのわかりずらさ、説明の無さだ。35時間ほどこのゲームをプレイしたわけだが、どこで新車が購入できるのか、いまだにわからない。おそらく、ネットで検索すればすぐわかるのだろうが、ゲーム内で説明がないのはあまりにも不親切だ。ファストトラベルもネットで検索するまでやり方がわからなかったし、チューニングもどこでできるのか説明が全くない。こんなにわかりずらいゲームも珍しい。

また、ストーリーはほんとにぱっとしない。翻訳がかなり微妙でなにがいいたいのかもわからないし、字幕と吹き替えの内容が一致していないのもすごく気になる。もうすこし、プレイするモチベーションを与えるストーリーを設定してもよかったのではないかと思う。主人公に特に目的がないため、プレイしている感覚は”ただドライブしてるだけ”なのが残念。